高齢者(60代以降)の貯蓄分布と偏差値(2人以上世帯)

統計

60代以上の貯蓄分布と偏差値(2人以上世帯)

2021年現在の日本、高齢者がお金持ちと言われています。
現在の高齢者世帯は大体どれくらいの貯金をお持ちかデータにしてみました。

数値は老後(60代~70代)の貯蓄の分布と偏差値です。
60代前半(60~64歳)と60代後半(65~69歳)とに分けております。
最後に70代全体の貯蓄の分布と偏差値を載せています。

老後豊かな生活を送ろうと思えば、3,000万円の貯蓄が必要と言われています。
しかしデータを見てみると高齢者の貯蓄の中央値(全体の真ん中)は大体1,600万円。
3,000万円以上お持ちの方は25%程度ということが分かりました。

※偏差値とは自分が上位から何%くらいにいるのかの目安となるものです。

負債(借金等)を差し引かない貯蓄額で表示しております。
※総務省統計局による2020年平均結果のデータを参照しております。
※2人以上世帯のデータです。世帯全員(主に夫婦)合わせた貯蓄額です。
1人暮らしのデータはこちらの60代のデータのみです。

※この年代の年収別貯金額(平均と中央値)は金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」を参照しております。



60代前半世帯の貯蓄分布と偏差値

貯蓄額の分布(60代前半)
60代前半貯蓄グラフ

58.6~ 4,000万円以上
(上位18.8%以内)※ダントツ1位

55.8~ 3,000~4,000万円
(上位27.0%以内)

53.7~ 2,500~3,000万円
(上位34.0%以内

51.7~ 2,000~2,500万円
(上から41.6%以内)

50.8~ 1,800~2,000万円 (上から44.8%以内)

49.8~ 1,600~1,800万円 (上から48.7%以内)※この辺が中央値

48.7~ 1,400~1,600万円 (上から52.6%以内)

47.8~ 1,200~1,400万円 (上から57.3%以内)

46.5~ 1,000~1,200万円 (上から64.1%以内)

45.6~ 800~1,000万円(上位68.5%以内)

43.7~ 600~800万円(上位74.9%以内)

40.8~ 400~600万円(上位81.3%以内)

38.5~ 200~400万円(上から87.6%以内)

38.5以下 200万円未満(上から100%以内)

今年も期待を裏切らない結果となりました。
60代前半で2,000万円以上お持ちの世帯が4割強です。

この年代は引退する人もそこそこ多いのではないかと思います。
ちょうど退職金をもらう頃なので1,500万円以上お持ちの世帯が半分くらいを占めます。
負債込みの純貯蓄額の中央値は1,490万円くらい
半数以上の高齢者世帯が老後の資金を蓄えています。

負債抜きの平均貯蓄額は2,302万円、負債抜きの中央値は1,582万円。
平均、中央値ともに前年度より少し下がりました。



60代後半世帯の貯蓄分布と偏差値

貯蓄額の分布(60代後半)
60代後半貯金

58.7~ 4,000万円以上
(上位19.3%以内)※ダントツ1位

55.8~ 3,000~4,000万円
(上位27.7%以内)

53.8~ 2,500~3,000万円
(上位35.4%以内

51.7~ 2,000~2,500万円
(上から43.9%以内)

50.8~ 1,800~2,000万円 (上から46.9%以内)

49.8~ 1,600~1,800万円 (上から50.6%以内)※この辺が中央値

48.7~ 1,400~1,600万円 (上から54.7%以内)

47.7~ 1,200~1,400万円 (上から59.0%以内)

46.2~ 1,000~1,200万円 (上から65.3%以内)

44.7~ 800~1,000万円(上位70.3%以内)

42.7~ 600~800万円(上位76.3%以内)

40.6~ 400~600万円(上位82.4%以内)

37.9~ 200~400万円(上から88.9%以内)

37.9以下 200万円未満(上から100%以内)

この年代は引退して悠々自適に暮そうかという人も多いかと思います。
60代後半の約4割の世帯が2,000万円以上の貯金をお持ちです。
負債込みの純貯蓄額の中央値は1,600万円くらいと推定
大体の世帯が老後に必要な資金を蓄えています。

負債抜きの平均貯蓄額2,564万円、負債抜きの中央値は1,692万円。
前年度より上がっています。

60代後半世帯の2割近くが4,000万円以上の資金をお持ちです。
3,000万円以上を含めると3割近くになります。
5,000万円以上お持ちの世帯が1割くらい存在します。


70代以上世帯の貯蓄分布と偏差値

貯蓄額の分布(70代以上)
70代貯金

59.5~ 4,000万円以上
(上位16.6%以内)※ダントツ1位

56.5~ 3,000~4,000万円
(上位25.5%以内)

54.7~ 2,500~3,000万円
(上位31.4%以内)

52.7~ 2,000~2,500万円
(上から39.6%以内)

51.7~ 1,800~2,000万円 (上から43.0%以内)

51.1~ 1,600~1,800万円 (上から45.9%以内)

49.7~ 1,400~1,600万円 (上から50.5%以内)※この辺が中央値

48.8~ 1,200~1,400万円 (上から55.1%以内)

47.2~ 1,000~1,200万円 (上から60.5%以内)

45.7~ 800~1,000万円(上位66.0%以内)

43.8~ 600~800万円(上位72.9%以内)

41.3~ 400~600万円(上位80.4%以内)

38.3~ 200~400万円(上から87.8%以内)

38.3以下 200万円未満(上から100%以内)

こちらも2,000万円以上の貯金をお持ちの世帯が4割です。
負債込みの純貯蓄額の中央値は1,480万円付近と推定
大体の世帯が老後に必要な資金を蓄えています。

負債抜きの平均貯蓄額は2,348万円、負債抜きの中央値は1,510万円。

70代以上の世帯も5,000万円以上お持ちの方が1割強存在します。


60代の年収別貯蓄額

収入なし→平均:1,522万円 中央値:1,120万円

年収300万円未満→平均:1,045万円 中央値:500万円

年収300~500万円未満→平均:1,170万円 中央値:600万円

年収500~750万円未満→平均:2,069万円 中央値:1,420万円

年収750~1,000万円未満→平均:3,123万円 中央値:2,100万円

年収1,000~1,200万円未満→平均:4,620万円 中央値:3,500万円

年収1,200万円以上→平均:5,362万円 中央値:5,383万円


70代の年収別貯蓄額

収入なし→平均:1,198万円 中央値:860万円

年収300万円未満→平均:1,082万円 中央値:500万円

年収300~500万円未満→平均:1,682万円 中央値:1,200万円

年収500~750万円未満→平均:2,119万円 中央値:1,523万円

年収750~1,000万円未満→平均:2,757万円 中央値:1,650万円

年収1,000~1,200万円未満→平均:5,255万円 中央値:5,311万円

年収1,200万円以上→平均:5,565万円 中央値:4,800万円


高齢者の貯蓄分布と偏差値 まとめ

60代以降になるともう負債がない世帯がほとんどなので、負債ありの中央値・平均値と負債抜きの中央値・平均値に開きがありません。

負債込みのデータを見ると、60代以上世帯の約4割が2,000万円以上の貯金をお持ちです。
また、60代以上世帯の半分くらいが1,500万円以上の貯金をお持ちです。
負債抜きのデータを見ると、60代以上世帯の4世帯に1世帯が3,000万以上の資金をお持ちです。

ただ、このデータの中には、老夫婦と独身の子(働き盛り)の世帯や昔ながらの老夫婦と子ども夫婦の世帯も含まれているので、その影響で底上げされている可能性があります。

高齢者世帯がお金持ちなので、その子どもに早くに相続させ、その子どもが消費してくれるよう、生前贈与(年110万円の非課税枠)が設定されているのも分かるような気がします。
早くに子どもに遺産を渡して、その子どもが使ってくれれば、経済効果が期待できますね。
高齢者って基本的な生活費以外、そんなに使う事ないですものね。
ただ、医療費などの不安で生前贈与を躊躇する高齢者も多い様子。


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